■相続人を調べる(相続人調査)目的
亡くなった人が持っていた遺産(不動産、預金、株式、負債など)の相続を進めていくためには、全ての相続人を把握して、相続人全員が参加して遺産分割手続きを行っていく必要があります。
そのためにはまず、相続人調査によって、遺産を受け継ぐ相続人が誰であるかを正確に把握します。また、調査を通じて、相続人が何人いるのか、それぞれがどの程度の割合で遺産を相続するのかということも明らかになります。これにより、遺産を公平かつ円滑に分割することが可能となり、相続によるトラブルや争いを防ぐことにもつながります。
■相続人調査の方法
相続人を把握するためには、亡くなった方(被相続人)の戸籍謄本類を集める必要があります。
この時に集める戸籍謄本類は、被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍になります。
戸籍謄本にはその人の出生、婚姻、実子や養子縁組の有無、離婚といった出来事、家族関係の変化などが記録されています。そのため、被相続人が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本類を調査することで、その人が生涯を通じてどのような家族関係を結んできたのか、つまり、相続人が誰であるかを正確に把握することが可能になります。
例えば、亡くなった人が養子縁組をしていた場合や、未だに認知していない子供がいた場合など、家族でも知らない事実が戸籍謄本から発見されることもあります。
このようにして、相続人の範囲、人数を把握することができます。
■収集する戸籍類
具体的には、以下の戸籍を集めていきます。
①戸籍謄本: 現在生きている方が記録されている戸籍
②除籍謄本: 戸籍に記録されていた全員が別の戸籍に移ったり、亡くなっている戸籍
③改正原戸籍謄本: 戸籍の電子化などによって新たな戸籍が編成された場合に残る古い戸籍
これらを集めると、被相続人がどのような家族関係を持っていたか、知らない事実が明らかになることもあります。
これらの書類を集めるためには、「本籍地」の役所に行って申請するか、郵送で申請することができます。郵送を利用するときは、戸籍の申請書、料金として「定額小為替」、返信用の郵便切手を送ります。
全ての戸籍謄本類を集めて、誰が相続人であるかを確認しましょう。
少々大変な作業になりますので、じっくり取り組んでいきましょう。