遺言書と遺書の違いは?

似た言葉で混同しがちな「遺言書」と「遺書」ですが、この2つには明確な違いがあります。

■遺言書とは

遺言書は、主に遺言者が生前に自分の死後の財産の分配について書面で意思表示したもので、法的効力がある文書です。
ただし、遺言書に法的な制約力を持たせるためには、民法で定まった要件を満たしているものを作成する必要があります。要件を満たしていない場合は、法的な効力を持たず無効となってしまいます。

■遺書とは

生前の様々な意思を残す手紙を指します。遺書には、家族や友人など大切な人々へのメッセージ、感謝の言葉、反省といったことが書かれた手紙として扱われます。あくまで、生前の思いを書きつづった手紙なので法律に則った形式である必要はなく、法的な効力もありません。

上記の様に、「遺言書」は法的な手続きとして認められ、「遺書」は生前の感情や思いを伝えるための手段であり、法的な効力はありません。
生前の様々な思いを文書で残したい場合は遺書という形で問題ありませんが、死後の財産分与の方針を記載し、その意思を実現するために作成する場合には遺言書として意思を残すことが適切と言えます。
遺言書は法律で定められた形式に従って作成する必要がありますので、せっかく作成したにも関わらず無効となってしまわないように専門家に相談されることをおすすめします。